映画「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」

リリー・フランキー原作の自伝的小説の映画化。子供の幸せだけを願って生きた母親が描かれています。オカンは明るくて誰にでも好かれる。どこにでもいそうな母親です。ぐうたら息子がいつの間にか孝行息子に変わっていきます。「子供には期待していない」と言いながら,それでもうらやましいストーリーです。

監督:松岡錠司,脚本:松尾スズキ,出演:オダギリジョー,樹木希林,内田也哉子,松たか子,小林薫,中村トオル,小泉今日子,宮崎あおい他。

オカンはオトンと別居してボクを育て,仕送りをしながら高校・大学を卒業させました。やっと楽になったところで,がんにり患してその手術を受けます。やがて東京にいる息子と同居します。オカンとボクの幸せな時は短く,鈴が坂道を転げ落ちるように音色を残して去って行きます。

ボクがオカンに向かって,「もう貯金がないだろう。」と尋ねると,オカンがボクの卒業証書をもって,「なんもありゃせん。これに全部使った。これがオカンの全財産や。」という趣旨のやり取りがあります。こんな家庭があちらこちらにあるような気がします。他人は「親ばか」言うのでしょうが,子どもを大学に行かせるために生きてきた親は多いと思います。共感のできるシーンでした。

オカンがラジオのスイッチを入れると,ボクがディスクジョッキーをやっている番組が流れます。その中で,「この歌を最愛の人に捧げます。」との前置きの後に,「キサス・キサス」(歌:ザ・ピーナツ)が流れます。そこからオカンとオトンが出会った時のシーンに切り替わるところが印象に残っています。

この映画の中で,舞台演劇のように暗転して場面が切り替わるところがあります。あまり見かけない手法で新鮮でした。

映画の中で,「フジカ・シングルエイト」,「三輪トラック」などが出てきて,貧乏だったころの生活を懐かしく思い出しました。エンディングに流れる「東京にもあったんだ」(歌:福山雅治)がこの映画にぴったりとあったテーマ曲でした。

この映画は丁寧に作られているとの印象を持ちました。各出演者の演技はみごとで,特に,樹木希林とオダギリジョーの二人のシーンはよかったです。そして,内田也哉子は母親譲りのDNAからか自然な演技で好感が持てました。

「東京タワー」は,単発ドラマ(出演:田中裕子,大泉洋,蟹江敬三など)や連続ドラマ(出演:倍賞美津子,速水もこみち,泉谷しげるなど)がありました。それぞれ別の切り口で面白かったのですが,私は映画が一番面白いと感じました。

この映画を見て思ったこと
1 がん疾患の治療はどこまでするのか。私ががんにり患したときには,抗がん剤治療は止めにして鎮痛剤で痛みを軟らげて天命を待つ!
2 近親者に死後に発信するメッセージを残したいですね。正常に物事を判断できるうちに準備したいと思いつつ!
3 「オカン,いろいろごめんね! そして,ありがとうね!」(「東京タワー」から借用)

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この記事へのコメント

たんぽぽ
2007年04月17日 07:56
おはようございます。
この映画見たいというと、家人が「すごい悲しい映画よ」と言いました。
私は、倒れてからは、悲しい映画は、余り見たくないのです。
でも、夢楽さんのこのブログを読んで見たくなりました。
家人はオカンが「癌」でかくなると言う所に、
私を気遣ったんだと理解しました。
夢楽
2007年04月17日 08:51
たんぽぽさん おはようございます。
テレビドラマよりも病院でのシーンが多く切ない映画ですね。ご家族が気になさるのも分かります。癌の手術を受けた後にも周囲に明るさを振りまいて生きたオカンを見ると勇気をもらえます。